2人の娘がそれぞれ関西・関東にいるため折をみて様子を伺いに行く。慣れない場所での生活の助けに,
と家事など手伝うつもりなのだが,1K程度の間取りの家事などあっという間に終わってしまう。
娘たちは学業や仕事に忙しいので,結局単なる居候状態で暇を持て余す始末である。
そこで,街並みを探検に散歩に赴く。知らない街をただ歩くだけでけっこう楽しい。
ショッピングモールに隣接して,酒屋さんが角打ち(店先で商品のお酒と肴を提供する)をやっていたり,
チェーン店のカフェの近くにオリジナルのレモンジュース「だけ」を売る小さなスタンドがあったりする。
一つ角を曲がると急に「台湾か!!」というような絢爛としたネオンに縁どられた巨大な看板の中華料理店がある。
居候先で必ず探すことにしているのが銭湯だ。自分の住んでいる地域から考えると居候先はどこでも大都会なのだが,
必ず昔ながらの銭湯があり,この物価高の中500円程度の値段で頑張っている。ありがたい。
東京の下町の銭湯は,小さな橋を渡っていく。橋の両側に歴代の歌舞伎役者の浮世絵と解説がずらりと並ぶ。
湯舟はめちゃくちゃ熱く,これぞ江戸っ子,と妙に感心しながら足だけつかる。
大阪の銭湯では,隣の男湯から聞こえてくるおじいさんの高らかな歌声に聞きほれる。
有名な観光地もよいけれど,よそ者の「いそうろう」として,人の生活している息遣いを感じるのも一興だ。
キャリアコンサルタント